やっぱり圭人は京極くんのこと、気に入らないのかな?


そんなふうに思っていると。


「……まあ、席くらい良いか。俺、昼飯頼んでくるわ。絃葉は、今日は弁当?」

「ううん。私も、今日は学食のご飯を食べるよ」

「だったら、何がいい? 俺、絃葉の分も一緒に頼むから」

「ええっと。それじゃあ……オムライスで」


左手だけでも食べやすそうなものを、適当に口にすると。


「分かった。おーい、京極は? 何か頼む?」

「いや、俺は昼飯持ってきてるから。ありがとう!」

「おう。それじゃあ俺、頼んでくるわ」


圭人が、注文待ちの列へと向かって歩いていく。


転校早々、なぜか京極くんを敵対視していた様子の圭人だけど。


ちゃんと、親切なところもあるんじゃない。


やっぱり、私が昔から好きな優しい圭人だ。