「先月、絃葉ちゃんが車に轢かれそうになった俺の妹を、助けてくれてね。そのせいで、彼女が骨折してしまったから。絃葉ちゃんの右腕が治るまで、俺が彼女の学校生活をサポートしてるんだよ」

「へぇ。人助けだなんて、絃葉お前相変わらず良いヤツだな。さっすが、俺の幼なじみ!」


京極くんの話を聞いた圭人が、私の左肩を嬉しそうにバシバシ叩いてくる。


「い、痛いよ、圭人!」

「つーか、京極くんだっけ? 絃葉のお世話係だか何だか知らねえけど……」


圭人が、京極くんを鋭い目で見つめる。


「俺と絃葉は、積もる話もあるんだ。だから、邪魔しないでもらえるか?」

「ちょっと、圭人。邪魔って、そんな言い方しなくても!」


圭人は昔から、少しストレートに言いすぎるところがある。


京極くんも、圭人を軽く睨んでいて。


今日が初対面のはずの二人の間には、なぜかバチバチとした雰囲気が漂っている。