「えっ、京極くん!?」
間に入ってきたのは、京極くんだった。
ていうか京極くん、いつの間にここに!?
「絃葉ちゃんは今、腕を骨折してるから。無理しないほうがいいよ。あっ、良かったら俺が絃葉ちゃんの代わりに、校内を案内しようか」
「誰? お前」
圭人が、京極くんを軽く睨みつける。
「同じクラスの、京極蒼生です。絃葉ちゃんのお世話係をしてるんだよ」
「は? お世話係? 何だよ、それ」
眉をひそめる圭人。
「お世話係って……絃葉、コイツに何か変なことされてねえだろうな?」
「大丈夫だよ、圭人。京極くんは、本当に私のお世話をしてくれてるだけだから」
かばうように私の前に立った圭人に、私はすぐさま否定する。