「夕飯は、カレーを作ってあるから。朝ご飯は、そこのコンビニで買ってもいいし。絃葉、京極さんにあまり迷惑かけるんじゃないわよ!」
そう言うと、お母さんは慌ただしく出かけていった。
あれから京極くんの執事の深澤さんが、京極くんの学校の課題や、着替えとかのお泊まり道具一式を、家まで届けてくれた。
「何か、急にごめんね? こんなことになっちゃって」
「いいよ。気にしないで」
私が謝ると、京極くんは爽やかに微笑んでくれた。
時刻は、もうすぐ夜の7時。
「京極くん、夕飯はカレーで大丈夫?」
「うん」
「それじゃあ、温めるね」
私はキッチンに立って、カレーの鍋を温めるため、IHコンロの電源を入れる。
「絃葉ちゃん、俺も手伝うよ」
「それじゃあ、そこの棚から白のお皿を2枚出してくれる?」
「了解」
それから京極くんに手伝ってもらいながら、カレーをよそって。夕飯の用意ができた。
京極くんとダイニングテーブルに隣り合わせで座り、いただきますをして食べ始める。