それから私は、京極くんの部屋へと案内された。


落ち着いたブルーを基調とした広いお部屋は、きちんと整理整頓されている。

モノトーンの雑貨も、すごくオシャレ。


部屋をキョロキョロと見回しながら私は、京極くんとテーブルに向かい合って座る。


「京極くんのお部屋、素敵だね」

「そう? それを言うなら、今日の絃葉ちゃんも、いつもと雰囲気が違って素敵だよ」

「え!?」


私のことを、じっと見つめてくる京極くん。


「絃葉ちゃん、すごく可愛い」


京極くんにストレートにそんなことを言われたら……たとえお世辞だとしても、嬉しくて舞い上がってしまいそうになる。


「それじゃあ、勉強始めようか」

「うん」


今日、私が京極くんの家に来たのは、陽莉ちゃんに会うためでもあるけれど。


一番の目的は、ゴールデンウィーク中にやるようにと学校から出された沢山の課題を、京極くんと一緒にすること。


そういえば私、男の子の家に遊びに来ること自体が初めてなんだった。


しかもそれが、学校で王子様的存在の京極くんの家。


そう思うと、またドキドキと心臓がうるさくなってきた……!