……って。ああいうことを言われても、いちいち気にしていたらダメだ。


私はブンブンと首を何度か横に振ると、晴れ渡る空を見つめる。


今日は雲ひとつない青空で、本当に良いお天気だな。


「キャーッ。京極くーん!!」


すると、いきなり女子たちの甲高い声がした。


そちらに目をやると、クラスの男子たちがサッカーの試合をしていた。


その中でも、一際目立っているのが京極くんだった。


京極くんが相手チームの子と激しく競り合い、ボールを奪う。


京極くん、頑張れ……!


華麗にドリブルをしてボールを運ぶ彼を、私は心の中でこっそり応援する。


京極くんは次から次へとディフェンスをかわすと、そのままゴールへと突き進む。


そして京極くんの右足が、ボールを蹴り……。


彼の放ったシュートは、見事ゴールネットを揺らした。


「すごい……!」


クラスの誰よりもサッカーが上手い京極くんに、思わず見とれてしまう。


「蒼生くん、素敵!」


クラスメイトの女子たちもみんな、練習そっちのけで男子のサッカーに釘付けになっている。