数日後の昼休み。


ふぅ……やっとお昼だ。お腹ペコペコ。


私が自分の席で、お昼の用意をしていると。


「ねえ、蒼生くん。わたし、今日お弁当作ってきたの。良かったら、一緒に食べない?」


どこからかそんな声が聞こえてきて、反射的に目をやると。

京極くんが、彼のファンである寺門(てらかど)さんに声をかけられていた。


「蒼生くん、たまには気分転換にわたしとお昼を食べてくれても良いでしょ?」

「ごめん。俺、お昼は絃葉ちゃんと食べるから」


顔の前で、申し訳なさそうに手を合わせる京極くん。


その直後、彼に断られた寺門さんが鋭い目つきでこちらを睨んできて、私の肩がビクッと跳ねる。


ひいいいっ。こ、怖い……!