あのあと、体育祭の目玉競技である色別の選抜リレーが行われ、赤組のアンカーだった蒼生くんが大活躍。
下位から逆転1位となり、リレーの得点が大きく反映されたお陰で、私たちの赤組は総合優勝も果たしたのだった。
そして、体育祭から数日後。
休日のこの日、私の姿は蒼生くんの家のお庭にあった。
蒼生くんのお母さんが、私たちが両想いになったお祝いにとケーキを焼いてくれたらしい。
「いただきます!」
青空の下。ガーデンテーブルの椅子に座りながら、私は生クリームたっぷりのケーキを口へと運ぶ。
「んーっ! 美味しい」
クリームもスポンジも溶けるようで、甘酸っぱいフルーツがちょうどいい。
「そういえば、お祝いのケーキをご馳走になっておいて今さらなんだけど……」
ケーキを食べながら私は、最近ずっと気になっていたことを、思いきって蒼生くんに尋ねてみる。
「蒼生くん、私とお付き合いをして本当に大丈夫なのかなって。あの、姫華さんは……?」