──パチパチパチパチ!!
しばし蒼生くんと抱きしめ合っていると、辺りには割れんばかりの拍手が沸き起こった。
……え。
ハッとして私が顔を上げると、グラウンドにいる生徒や先生、観客までが皆、私たちのことを見ていた。
「なんと、なんと! ここで1組のカップルが誕生したみたいです!」
「おめでとうございまーす!」
放送席からはそんなアナウンスが聞こえてきて、私の顔がカッと熱くなる。
しまった。私ったらここがグラウンドだってことも忘れて、つい勢いで告白しちゃってた……!
「おめでとーっ!」
「いいなー、羨ましい〜!」
グラウンドは、沢山の祝福の声と拍手に包まれる。
驚いたことに、拍手してくれている人のなかには蒼生くんのファンの子たちも。
てっきり、交際は反対されるとばかり思っていたのに……。
「みんな、俺たちのことを祝福してくれてるんだね」
「うん」
蒼生くんが、私の手をそっと握りしめてくる。
今でもまだ信じられない。自分の目の前で起きていることが、夢みたいで。
「宮崎さん、やったね!」
「絃葉ちゃん、おめでとう!」
みんなからの祝福の声が胸の奥まで響いて、感極まった私の目には涙があふれた。