……ついに、言っちゃった。蒼生くんが好きだって。


頬が火照って、体中が熱い。


「……うそだよね?」


私の目の前にいる蒼生くんは、信じられないって顔をしている。


「うそじゃないよ。私が好きなのは、ずっと蒼生くんだったから……っ」


私は突然、蒼生くんに腕を掴まれたと思ったら。

そのまま腕を引っ張られて、ぎゅうっと蒼生くんの胸の中に閉じ込められた。


「蒼生くん?」

「……俺もだよ。俺も、ずっと……絃葉ちゃんのことが好きだった」

「!」


蒼生くんが、私のことを好き?


許嫁のいる蒼生くんが、私のことを好きだなんて……もしかして私、夢でも見てるのかな?


「蒼生くん……ほんと?」

「うん、本当。好きだよ、絃葉ちゃん」


抱きしめていた腕を解くと、互いのハチマキがぶつかるように、蒼生くんがコツンと額を合わせてきた。


「絃葉ちゃん。俺と、付き合ってください」

「……っ、はい」

「ありがとう」


蒼生くんがもう一度、私を優しく抱きしめる。


ついこの間までどん底だった気持ちが、今は嘘みたいに晴れやかだ。