「俺にとって絃葉も、大切な幼なじみだから。絃葉の幼なじみとして俺は……お前の幸せを一番に願ってるよ」

「圭人……っ!」


圭人の優しい言葉に、私は泣きそうになる。
でも、まだ泣いたらいけない。


「だから、絃葉。絶対、後悔だけはしないようにしろよ」

「ありがとう、圭人……っ」

「これからも、幼なじみとしてよろしくな」

「うんっ」


私と圭人は、微笑み合う。


圭人は、生まれたときから家が近所で。赤ちゃんの頃から圭人がアメリカに引っ越すまでの間、ずっと一緒に過ごしてきた。


残念ながら私は圭人に対して、彼と同じ想いを抱くことはできなかったけれど。


圭人が私にとって、特別な存在であることに変わりはない。


今までも、これからもずっと。私にとって圭人は、たった一人の大切な幼なじみだよ。


圭人、私のことを好きになってくれて……本当にありがとう。


圭人が私に、懸命に想いを伝えてくれたから。


今度は私も……蒼生くんに、自分の気持ちをちゃんと伝えたいって思った。