「私ね、好きな人がいるの。だから……圭人とは、付き合えない」 「好きな人……。やっぱりそうか」 まるで、私に好きな人がいることを分かっていたような口ぶりの圭人。 「絃葉は……京極のことが好きなんだな」 「っ!」 圭人に言い当てられ、体中からドバっと汗が吹き出てくる。 まさか、私が蒼生くんを好きだってこと、圭人にバレていたなんて。はっ、恥ずかしい。