「あのさ、俺……絃葉のことが好きだ」

「っ!?」


圭人が……私のことを好き?


圭人の予想外の告白に、私は信じられない気持ちでいっぱいになる。


「何それ。冗談は、よしてよ」

「冗談なんかじゃねえ。今日の短距離走で1位になれたら、絃葉に告白しようって決めてたんだ」

「……っ」


うそ。圭人が、まさかそんなことを考えていたなんて。


「俺は、小さい頃からずっと……ずっと、絃葉のことが好きだった」


圭人の瞳は、今まで見たことがないくらい真剣で。とても冗談を言っているようには見えなかった。


「だから……幼なじみとしてじゃなく、男として、俺のことを見てくれないか?」

「けっ、けい……」

「絃葉。俺と……付き合って下さい」


圭人が頭を下げ、私に向かって真っ直ぐ手を伸ばしてくる。