2位から3位と、順に見ていくが……。
先月の実力テストのときは10位だったけれど……残念ながら、今回は10位以内に自分の名前はなくて。私は、小さく肩を落とす。
11位以降を見ていき、ようやく自分の名前を見つけた。
【20位 宮崎 絃葉】
なんとかギリギリ20位に滑り込めて、ホッとする。
今は利き手が使えないため、慣れない左手でテストを受けたとはいえ、前回の実力テストのときから10ランクも順位が落ちるなんて、初めてのこと。
私には将来のために、少しでも良い大学に入るという目標があるのだから。このままじゃダメだ。
私は、左の拳をギュッと握りしめる。
今回の成績低下はおそらく、利き手が使えなかったからというだけではない。
原因は他にもあると、自分でも何となく分かっている。
「キャーッ! 蒼生くーん」
歓声がしてそちらに目をやると、蒼生くんがファンの女の子たちに囲まれていた。
「京極くん、今回も1位おめでとう〜」
「ありがとう」
ファンの子に爽やかな笑顔を向ける蒼生くん。
それを見た私は胸の奥がズキズキして、嫌な気持ちが心の中に広がっていく。