陽莉のことを助けてくれた人が宮崎さんで、彼女が右腕を骨折したと知った俺は、少しでも彼女の役に立ちたいと思った。
だから宮崎さんが退院して、久しぶりに登校して来たあの日。
俺は真っ先に宮崎さんに声をかけ、彼女のお世話係になることを申し出た。
俺には、幼い頃から姫華という許嫁がいるから、そんな俺が同級生の女の子のお世話だなんて……と、思ったりもしたけれど。
俺が彼女と同じ学校でクラスメイトだと知った両親からも『学校で宮崎さんが困っていたら、助けてあげなさい』と言われていたから。
右腕をギプスでガッチリと固定されている宮崎さんを見たら、彼女の役に立ちたい気持ちが増して、声をかけずにはいられなかった。