「あ、あの……は、初めまして。宮崎絃葉と申します」


私は、蒼生くんのお父さんに向かって勢いよく頭を下げる。


「本日はお招き下さり、まっ、誠にありがとうございます!」


緊張で声が裏返りながらも、なんとか挨拶できた。


「初めまして。蒼生と陽莉の父です。先日は、娘のことを助けて頂いてどうもありがとう」


お父さん、微笑んだときの優しい目元が蒼生くんにそっくり。

蒼生くんによく似た笑顔を向けられ、ほんの少し緊張が和らいだ気がする。


「絃葉さんには、感謝してもしきれません。どうぞ、今日はゆっくりと楽しんでいってください」

「はい。ありがとうございます」

「それから蒼生。今日は絃葉さんのこと、しっかりとおもてなしするように」

「はい。わかりました」


蒼生くんが返事すると、蒼生くんのお父さんは歩いて行った。