「はい、結構見てたっすねぇ〜」

その時の事を思い出しているのか真柴さんはニヤニヤしている。

なになに…っ、一体どういう状況だったの…??

「1回だけほっぺたつついてたんすけど、小桃ちゃんが嫌そうな顔したんですぐ辞めてたんすよ」

「つっ、つついた…っ!?」

全然知らない……。どれだけ爆睡してたんだ私…。

でも​───────…

ふふっ、結くんて、そういうことするんだ…っ。

やっぱり時々子供みたい。

思わずクス、と笑ってしまった。

***

​────それからも体調は時々悪い日もあったけど、なんとか順調に日々は過ぎていき、クリスマス。お正月も気が付けばあっという間に終わっていた。

その間。結くんと2人でデートに行ったりもした。

ある日のデートは、近くの映画館に映画を観に行った。

普通の恋愛映画。
高校生の男女が手を繋いだり。キスをしたり。私と結くんが辿った道を着々と辿っていた。

ラストシーンの結婚式が終わってエンドロールになり、音楽と共にキャスト陣や製作者の名前が過ぎ去る中。私もこんな素敵なラストシーンにしたい、と思ったりもした。