「なんの話してるのー!」

「あのねぇー! 今日はビッグニュースがありまーす!」

「えー! なになに!!」

「茅島さんが、今度結婚するんだって!」

「えー! そうなの!?」

「ももちゃんが!?」

みんなに純粋な目を向けられて、「うんっ、」と頷く。

サナちゃんが興味津々の眼差しで質問した。

「かれしできた、ってことー!?」

「ふふっ、できたよ」

「すごーい! おめでとー!」

「みょうじ、かやしま、じゃなくなるの?」

「あぁっ、そういえば…」

今の今まで全く考えていなかったことだった。
でも確かに…、そういうことになるのか。

「うん。変わるよ」

「なにになるのー!?」

「え、とね…、きりや、だよ」

初めて口に出したからか、なんだか新鮮な気持ちに襲われた。これから慣れるのかな。

「きりや!? かっこいいねぇ!」

「へへ、ありがとう〜」

「あっ! ももちゃん、ゆびわしてるー! かわいー!」

まるで自分のことように私の幸せを祝福してくれるみんな。久しぶりなのに、全然そんな感じしなかった。

「ありがとう」



生きてて良かった。



今日はそんなことを強く思った日だった。