「別に小桃ちゃんが謝ることじゃないっすよ。でもそうか〜。あのくるみさんに怒っちゃうなんて、若、よっぽど小桃ちゃんのことが大切なんすね」
私が気を落とさぬように、優しい声色でそう言ってくれる真柴さん。
私の心を大切にしてくれているのはすごく嬉しいけれど、やっぱり付き合いが長く仕事も優秀なくるみさんをあの一瞬で簡単に切り離してしまうなんて……、と、一晩経っても複雑な心境は消えぬままだった。
「あ、そうだ。小桃ちゃんが言ってたバッグってそれっすか?」
そこで話は切り変わり、真柴さんに指し示された方を見るとテーブルに水玉のトートバッグが置かれていた。私のものだ。
「あっ、これです…っ」
「ちょっと汚れちゃってますよね」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
紐はちぎれていてところどころ泥もついているけれど、もうどこかへいってしまったかもしれない、とさえ思っていたものだったからこうして手元に戻ってきてくれるだけで十分。それに中に入っているものこそが大事だから。
中身を確認して、持ち物が全て揃っているか確認する。
薬は無事。でもスマートフォンは画面がバリバリに割れていて、壊れてしまっているようだった。
まぁ…、しょうがないか。
私が気を落とさぬように、優しい声色でそう言ってくれる真柴さん。
私の心を大切にしてくれているのはすごく嬉しいけれど、やっぱり付き合いが長く仕事も優秀なくるみさんをあの一瞬で簡単に切り離してしまうなんて……、と、一晩経っても複雑な心境は消えぬままだった。
「あ、そうだ。小桃ちゃんが言ってたバッグってそれっすか?」
そこで話は切り変わり、真柴さんに指し示された方を見るとテーブルに水玉のトートバッグが置かれていた。私のものだ。
「あっ、これです…っ」
「ちょっと汚れちゃってますよね」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
紐はちぎれていてところどころ泥もついているけれど、もうどこかへいってしまったかもしれない、とさえ思っていたものだったからこうして手元に戻ってきてくれるだけで十分。それに中に入っているものこそが大事だから。
中身を確認して、持ち物が全て揃っているか確認する。
薬は無事。でもスマートフォンは画面がバリバリに割れていて、壊れてしまっているようだった。
まぁ…、しょうがないか。