なんの詰まりもなくサラッ、と口にした”妻”という言葉。
おそらくそれはここでいう私のこと。
私のことでここまで怒ってくれるなんて思ってなかった。だって真柴さんは結くんのことを感情の起伏がない方、って言っていた。
それなのに。ここまで怒りの感情が伝わってくる。正直戸惑った。
「私は……別に…」
何か言おうと口を開きかけたけどこれ以上私が口を挟むのは躊躇ってしまった。
***
くるみさんが作っていったオムライス。
対面に座る結くんはそれを何事もなかったかのように口に運んでいた。
「……食べないのか」
でも私はさっきの今で食欲なんて湧いてこなくて。食べたい、と言ったのは私なのに、一向に口をつけられないままだった。それより……
「…さっきの、聞かないんですか…。聞こえてました、よね…?」
「あぁ」
「全部、ほんとのこと…ですよ……」
「そうか」
「聞かないん、ですか……」
「何をだ」
「い、いろ…いろです……」
なんで退学したんだ、とか。
なんで絶縁状態なんだ、とか。
色々聞かれると思った。なのに……
「じゃあ───────…」
おそらくそれはここでいう私のこと。
私のことでここまで怒ってくれるなんて思ってなかった。だって真柴さんは結くんのことを感情の起伏がない方、って言っていた。
それなのに。ここまで怒りの感情が伝わってくる。正直戸惑った。
「私は……別に…」
何か言おうと口を開きかけたけどこれ以上私が口を挟むのは躊躇ってしまった。
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くるみさんが作っていったオムライス。
対面に座る結くんはそれを何事もなかったかのように口に運んでいた。
「……食べないのか」
でも私はさっきの今で食欲なんて湧いてこなくて。食べたい、と言ったのは私なのに、一向に口をつけられないままだった。それより……
「…さっきの、聞かないんですか…。聞こえてました、よね…?」
「あぁ」
「全部、ほんとのこと…ですよ……」
「そうか」
「聞かないん、ですか……」
「何をだ」
「い、いろ…いろです……」
なんで退学したんだ、とか。
なんで絶縁状態なんだ、とか。
色々聞かれると思った。なのに……
「じゃあ───────…」