「森山財閥の一人娘・森山小桃。17歳。誕生日は2月2日。先日通っていた南条高校を自主退学。理由は不明。南三丁目しあわせ園にボランティアとして時々訪問している模様。1年ほど前に父親か再婚。同時期に森山家とは絶縁状態。現在は”茅島”と名乗り、ひとり暮らしをしている」
丸裸にされていくみたいなそんな時間。
なんの書類も見ずにまるで機械音声のように私についての説明を述べたくるみさんは全て言い終えたあと、皮肉っぽく付け加えた。
「森山財閥のご令嬢ともあろうお方、こんなご飯なんて別に珍しくもなんともないんじゃないですか」
「…っ」
今のは……、完全に嫌味に近いものだと思った。
素性を知っている今、さっき私がおいしそう、とか言ったのがわざとらしく、そして嘘臭く聞こえてしまったのだろうか。
素直に言った言葉なのにこんなにも胸が締め付けられるような事を言われてしまうなんて。
辛辣な言葉に顔はみるみるうちに青ざめていくばかり。
言葉を失い、テーブルに身を乗り出していた身体を引っ込める。徐々に視線が落ちていき、立ち尽くした。
…そんな言い方しなくてもいいのに。
「私はあなたとの結婚は反対です。若はこれからもこの先も霧矢組も引っ張っていくお方。なのにあなたは……、あと半年程で卒業だというのに退学? 家と絶縁状態? 正直信用なりません」
丸裸にされていくみたいなそんな時間。
なんの書類も見ずにまるで機械音声のように私についての説明を述べたくるみさんは全て言い終えたあと、皮肉っぽく付け加えた。
「森山財閥のご令嬢ともあろうお方、こんなご飯なんて別に珍しくもなんともないんじゃないですか」
「…っ」
今のは……、完全に嫌味に近いものだと思った。
素性を知っている今、さっき私がおいしそう、とか言ったのがわざとらしく、そして嘘臭く聞こえてしまったのだろうか。
素直に言った言葉なのにこんなにも胸が締め付けられるような事を言われてしまうなんて。
辛辣な言葉に顔はみるみるうちに青ざめていくばかり。
言葉を失い、テーブルに身を乗り出していた身体を引っ込める。徐々に視線が落ちていき、立ち尽くした。
…そんな言い方しなくてもいいのに。
「私はあなたとの結婚は反対です。若はこれからもこの先も霧矢組も引っ張っていくお方。なのにあなたは……、あと半年程で卒業だというのに退学? 家と絶縁状態? 正直信用なりません」