しばらくここから外へ出ることは無さそうだし、部屋の場所ぐらいは把握しておきたい。

とりあえず私はリビングルームを出て、他の部屋を見て回ることにした。

「綺麗…」

廊下も寝室もそれぞれがすごく広くて、しかもなんの生活感もなくピカピカ。結くんの身の回りの世話をしているって言ってたし、きっとくるみさんが綺麗にしているんだろうな。すごい。

それから廊下の突き当たりにシャワールームを見つけた私は、シャワーをお借りすることにした。

そういえば真柴さんにシャワールームにはバスローブもあるから好きに着てもいい、って言われてたんだった。

今の私は拉致された時の格好のまま。

ボロボロの制服でボサボサの髪の毛……。

鏡に映った自分はあまりにも悲惨な姿だった。

ちゃんとそれなりの清潔感は常に整えていたい。

カゴの中に服を入れて、シャワーを浴びた。

いつぶりかの暖かいお湯。

いつぶりかのいい匂いの石鹸。

癒される……。

と、いっても私は居候とそう変わらない身。

迷惑にならないよう髪の毛の1本も残さないようにシャワールームから出た。

私が衣類を入れたカゴとは別にすぐ脇のカゴには真柴さんが言っていた通り、真っ白で洗いたてのようなふわふわな手触りのバスローブが入っていたのでそれを着た。