「結くんは…、おいくつぐらいなんでしょうか」

「今年で…20っす」

20……

きっと私は、なれない年齢。

だからすごく大人な数字に感じた。

でも、‪”‬結婚‪”‬となるとそれはとても…

幼い年齢に感じた。

「じゃあ……どんな方なんでしょうか」

質問ばかりの私に真柴さんは嫌な顔ひとつせず教えてくれる。

「感情の起伏があまりない方っすね。こっちの世界では‪”‬極悪非道‪”‬って噂されてるっす」

「ごくあく…ひどう……」

ますます分からない。

そんなふうに噂されている人がどうして私なんかを…?

少なからず恐怖心はまだあるけど、結くんのことを少し知れたことで少しは薄れた気がする。

ーーコンコン

「あ、どぞー」

誰だろう。

突然響いたノックの音に真柴さんが答える。するとパタリ、と扉が開いた。

わぁ…。綺麗な人…。

胸元に楕円形の宝石がキラキラと光っているワンピース型のメイド服を着た女の人がやってきた。

絵本から出てきたみたいにお顔は小さくてオーラも何もかもふわふわしている。まるでお人形さんみたい。