「え…っ、けっ、こん……?」

…分からない。

言葉の意味は分かる。でも分からない。

頭に入っていかない。

「俺の妻になれ」

まるで命令かのような。

有無を言わせない。

拒否権なんてない。

その言葉は、そんな深い重みと共に放たれたに違いなかった。

でも……、

結婚……?? 妻……?

今まで散々破談になってきた縁談がまるで走馬灯のように過ぎる。

はは……。そんな訳ないよ。

みんな、私のこと妻にしたくないって言うもん。

健康な跡取りを産むことすら困難。

いや。

それどころか私の命は残り​────…

何も分からない。

頭の中ぐちゃぐちゃなのに。

今すぐ逃げたいのに。

どうして…

どうして私の心は今こんなにも……、










ポカポカしているのだろう​───────。