「臓器あげる、とか軽はずみに言うな」

ぞう、き…?

一瞬訳が分からなくて、思考が止まる。

確かにあげる、って言ったけど…

「…え、でもそちらが言ったことじゃ…」

「あんなん脅し文句に決まってんだろ。うちの組はそこまでブラックじゃねぇよ」

「ったく…」と言ってまだ不機嫌そうな彼。

怒らせちゃったかな。

「そう、だったんですか。…ごめんなさい」

この人は……、一体何者なんだろう。

私を監禁したのも拘束したのも、きっと彼の指示の元。

間接的にでも私を痛めつけた張本人だ。

今すぐにでも恨む……べきなのに、よく分からない感情に支配された。

「…っ」

ふいに、鼻腔に美味しそうな匂いが届く。

あ…、ご飯だ…

今私の視界の先にあるテーブル。その上には、ご飯と味噌汁。そしてハンバーグが置かれていた。ハンバーグが取り付けられたお皿には、コーンが振りかけられたサラダも盛り付けられている。

いい匂い…美味しそう……。

無意識に唾を飲み込む。

もくもくと湯気が出ていて、作りたてなんだって分かった。

この人のご飯、なのかな…

いいな。

ぐぅー、とお腹が鳴る。

私のお腹…、ぺっちゃんこ……。

この3日間? 何も食べてないや……。

水は時々掛けられてたから水分補給出来てたけど……、やっぱりお腹が空っぽなのは少し寂しい。