私のことを監視するかのように交代で男がやって来て、尋問を受け続けた。

若と呼ばれていた彼はあれ以来全く姿を表さないまま。

私が女だからなのか、乱暴なことは一切されないけれど目をつぶると水を掛けられて、息が止まりそうになった。

おかげでずっと寝られていない。時間の感覚がどんどん曖昧になっていく。

この場所に‪”‬優しさ‪”‬なんてものは存在していなかった。

この2日間。食べ物は何も与えてもらえずにいた。

最後に口にした食べ物はしあわせ園でみんなで食べたカレーライス。

いつまで続くんだろう、という恐怖心に気を抜けば呼吸なんかいつでも止まりそうになる。

こんな状況でも私の心臓は頑張って動いてくれていて、もはや奇跡に近いものに感じた。

「ケホッ……、ケホ…っ、うえっ…」

吐き気があるのに何も食べてないから吐くものはなかった。

あ。

そういえば私……サナちゃんに明日も来るねっ言っちゃった。そしたらサナちゃん、すごく喜んでくれてたのに。

「やったー! あしたも、ももちゃんとあそぶー!」と飛び跳ねるサナちゃんの姿が脳裏にぼんやりと浮かんで申し訳なくなる。

嘘ついちゃってごめんね。

「おい! さっさと吐け……!」

「…ぁから……私は…アジトなんて知らな…………」