若、と呼ばれている彼の判断がここでは‪”‬絶対‪”‬のようだった。

多分……私をどうするかの判断は、この人に委ねられている。

沈黙に固唾を飲み、すると私を見つめる彼が、ゆっくりと口を開いた。

「雷狂組の女なら都合がいい。アジトを吐かせろ」

「はい」

アジト…?

まって…私、そんなの知らない…

「まっ……、まっ、て…っ、くださ……、、わた、し…わたし……っ」

顎がガクガク震えて言葉が上手く出てこない。

その間にも彼は興味が失せたかのように身を翻し、部屋から出て行ってしまった。

「さー、どっすっかなー」

「…っ」

彼から指示を受けた男が私の両頬を乱暴に掴み、不気味に微笑む。

「意識飛ばしても無駄だぞ。水ぶっかけて叩き起すからな」

どうすることも出来ず、私はさらに身を強ばらせた。

***

「ケホッ…、ケホッ!!」

バシャッ、と浴びせられるバケツに入った水。

飛び起きるかのように私は微睡みの中からまた急浮上させられた。

「はぁ……っ、はぁ…」

「まだ口割らねぇのか?」

ここに連れてこられて、多分…2日が経った。