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まだ半分朧気な意識が徐々に鮮明さを取り戻していく。

「ん……」

ここ……どこ…？

目が覚めたら薄暗い倉庫のような場所にいた。
頭上にはチカチカと今にも壊れそうな豆電球の光が灯っている。

そうだ……私…、スーパーに向かう途中に体調が悪くなっちゃって…それで……。私、さっきの男の人たちに連れ去られたんだ……。

意識を失う前の記憶を辿りながら仰向けの身体を起こそうとした時。

ーーカチャ…

身体の自由が利かないことに気付く。

両手の両足に重たくひんやりとする金属が取り付けられていた。

なに…これ……

身を捩ったり引っ張ったりしてみるけれどビクともしない。ただ息が上がっただけだった。

「はぁっ……、はぁ…」

怖い……。

動くことを諦めて手足に込めていた力を抜いた時、部屋の外から数人の声が聞こえた。

「若……！ お疲れ様です」

「さっき言ってた女は？」

「ここに拘束してます。事務所の前で怪しい動きをしてました。雷狂組となんか関与してるかもしれません」

「……分かった」

直後。バタン！ と全身がビクつく程の大きな音が響いて、誰かがこちらへやって来た。

コツコツ、と一定の間隔で地面を歩く足音が私の恐怖を増幅させる。

咄嗟に寝てるフリしなきゃ！ と思った私は目を閉じて、ただ時間が過ぎるのを待った。

怖い……、怖い…怖い怖い……！！！