「ほんとだ。うっす…」

「私用に味付け調整してくれてる、っていうのもあると思いますけどね…」

血圧が上がれば心臓に負荷が掛かってしまう。塩分の摂りすぎには気をつけなくちゃいけない。

他にもいろいろ…、1個1個気にしてたらキリがないくらい食事には気を遣わなきゃいけない。

森山の家にいた時も使用人さんがそうしてくれてた。でも1人暮らしをするようになって、その反動もあって自由に飲み食いしてしまっていた所はある。

それが私の寿命を1日1日縮めていたとしても当時は別にいいや、くらいで捉えていた。

でも今は…、ちゃんと気をつけておけばもっと結くんと一緒にいられたのかな、とか考えてしまう。

「…意地悪されてんのか?」

「へ?」

向けられる純粋な眼差し。

心配そうに私を見つめている結くんは何を思ったのか突然そんなことを言った。

「わざと味付け薄くされてんだろ?」

「あ、いや…わざとというか……、私の身体の為っていうか…」

やばい。結くんの目がだんだん殺意を帯びてきている気がするのは気のせいだろうか。

有難いことに私のことになると結くんは歯止めが効かなくなってしまう。くるみさんの事についても、あの騒動の後、どうなったのかは聞けないままだった。雷狂組の人達もどうなったのかは、知らない。というか怖くて聞けないままだった。