いつの間にか私を押さえつけていた男達は地面に倒れている。仲間内で揉めてしまったのだろうか、と考えていると。

「小桃…!!! しっかりしろ…っ」

ぼんやりと、焦点の合わない視界に誰かの人影がやって来た。

「はぁっ、はぁっはぁ、はぁ……」

息が…上手く吸えない……目が上手く見えない……力が上手く入らない…

怖い。怖くて怖くて仕方ないのに。

「もう大丈夫だから…っ」

結くん…、助けに来てくれたの??

知ってる温もり。

結くんの腕の中。

ギュッ、って。力強く抱きしめられていた。

その様子をどこからか見ていたんだろう。

くるみさんが声を荒らげた。

「結! そいつ大嘘つきだから!」

「くるみ、お前なにやってんだよ! こいつら全員雷狂組の奴らだろ……!!」

「それが何……!? あたしはもう霧矢組とは何の関係もない! 出ていけって言ったのは結でしょ!?」

「だからって小桃は関係ないだろ!! いい加減にしろ!」

「いい加減にすんのはこいつでしょ!? だって…っ」

やめて……

「だってこいつは…っ!!」

「ゆいく……っ、だめ、…聞かないで……っ」

「小桃…?」