「は?」

結くんは…

愛されないまま死ぬと思っていた私に、愛される事の喜びを教えてくれた。

結くんと居られないのなら……私の生きる意味はもう、どこにも無い。

「結くんと一緒になれないなら今すぐここで死んだ方がマシです」

「あっそ。あたしが打つ。ちょっと押えてて?」

「うーす」

「……っ」

苦しいことも。
楽しいことも。

いつか終わりがくる。

歯を食いしばって終わるのを待った。

ごめんなさい。結くん……

「あんたさえ来なけりゃあたしは……っ!!」

くるみさんの叫び声で父の声がフラッシュバックする。

ーー‪お前が生まれてこなきゃ、美代子はまだ生きていたんだ‪

「……」

生まれてからも。死ぬ時も。

私は……


罵倒されなきゃダメなんだなぁ。


頬に涙が伝っていき、諦めかけたその時。

「小桃……!!」

大好きな人が私を呼ぶ声が鼓膜に届く。

空耳……? いや、違う…

バタバタ、と騒がしく1人どころじゃない何人もの足音がこちらへやって来て。しばらく殴り合う音が聞こえてきた。

「はぁっ、はぁっ、はぁ……っ、はぁっはぁっ、はぁっ……」