「ちょっ、やめてくださ……っ、うぅっ、」

とても抵抗出来ない強い力で押さえ付けられて肺が圧迫される。息が止まりそうになった。

くるみさんが片方の口角を上げながら言う。

「今からあんたのことヤク漬けにしたげる」

「…っ」

「すぐ終わるから大丈夫大丈夫。おい」

男の1人が注射器のようなものを取り出し、ピュッ、と中から液体を出す。

「いやっ、……、やめてください!!」

「へぇー、これがあの霧矢の女か。くるみちゃん。なかなかいいの連れてきたねー」

「でしょ? 報酬弾んでよね」

「もち」

「ちょっとチクっとするだけだからねー」

やだ……っ、、こわい…

死にたくない……っ、

結くんに、会いたい…………っ

「いやっ、だれかーっ!!! 誰かっ、助け……っ」

思いっきり声を張って助けを呼ぶ。それを待ってました、と言わんばかりにくるみさんが横から口を開いた。

「助けて欲しい?」

くるみさんは私に向かって、惜しむことなく不敵に微笑む。

「結と別れてくれたら、助けてあげるよ」

甘い蜜のように垂らされる選択肢。

「どーする?」

「…っ」

考えるまでもない。

こんな選択……




「…でしたら助けて頂かなくて結構です」