私はそう強く願った。すると、ズザッと後ろから足音が聞こえた。

「…何やってんの?」

…この声もしかして…。

「わっ、お前…小澄か」

せ、先輩だっ!!

「だから、何やってんのって言ってんの」

「い、いや、な、何でもないよ!じゃ、じゃあな〜」

そう言って男の人は去っていった。

「…チッ、どいつもこいつも…」
先輩は私が落としてしまったハンカチを拾ってくれた。

「あ、ありがとう、ございます」