あれから数日──



誰かに見られている感覚が、ずっと続いていた。



登校中、下校中、バイト先に向かう途中、バイト中、家に帰る途中──ずっと誰かの視線を感じていた。



最初の頃は私の気のせいだと思ってたんだけど・・・これは確実に誰かが私を見てる。



だけど、誰にも相談出来ずにいた。



普通なら両親に相談とかするんだろうけど・・・私にはいないし・・・。



友人にも相談しようかと思ったけど、それが原因で友達も巻き込まれた、って話もよく聞く。



頼りたいけど、さすがに巻き込みたくは無いし・・・。



って感じのままバイトをしているんだけど・・・やっぱり、視線を感じる。



相談、すればよかったかな・・・。



「白石さん、どうかした?」



考え事をしていると、同じ時期に入ったバイトの伊瀬 新一(いせ しんいち)さんが声をかけてくる。



しまった・・・ぼーっとしてた・・・!




「あ・・・いえ、なんでもないです」



「そう?無理しないでね」



「あの・・・!・・・はい」



一瞬、相談しようかとも思ったけど思い止まる。



さすがにバイトで一緒になっただけの子からそんな相談を受けても反応に困るだろう。



やめておこう。



「?」



少し不思議そうにしながら仕事に戻る伊瀬さん。



そんな彼に申し訳なく思いながら仕事をこなした。