大丈夫じゃ そなたをみておる








































雨の日のこと














叢雲組と同じ強さを持つ橘組






















橘組が乗り込んできて


















































私の母は、橘來斗に殺された










































私の兄達は父と共に戦った。







私の弟は組員に守られていた





私は、母と一緒にいた。




















母は、私の目の前で橘來斗に打たれて亡くなった

















母が最後に私に言った














「早く逃げて。私は大丈夫。あなただけは絶対生きて。 幸せになって」
























私には兄たちのように戦う選択肢はなかった。
訓練は受けてきたがまだ小学校入学したてだったもの。






















私はひたすら逃げた、










走って











走って








走って










転んだ









転んだ先は神社だった。
こんなとこがあったことも知らない。

どこに迷ったのかも

呼吸が少し落ち着いた頃に

母が殺された瞬間

橘來斗の顔を思い出して
吐き気がした


父、兄たちは今も戦っているだろう。
弟は組員と逃げているだろう。

私は母を置いて走ってきた。。

今母がどんな気持ちでどんだけ苦しんでいるのか。

想像するだけで自分が情けなく感じる


私は、、今何をすれば





泣こうにも泣けないそんなとき






フワッと暖かく包まれるような感覚がした



脳に直接話しかけられるように声が聞こえた



「決着が着いた。叢雲組が勝った。橘組は引いた。」


突然の声に困惑する

後ろをむくとぼやっと黄色く包まれた光がある

「なに、、これ」

「もう大丈夫じゃ、そなたの父が家族が心配してお
る。もう家へ帰れ」

でも、、私は、、母のことを置いてった

「現実を受け止めろ。そなたの母は死んだ。だがお前が殺した訳では無い。そなたの母も言っとったろ。逃げて、生きろ。って。それなのにそんなメソメソするな。幸せになって欲しいと願っておる。そなたが生きることを願っておる。」



「そなたの父も心配して今全力で探しとるよ。早く会って安心させなさい。」

うん。
























「大丈夫じゃ、そなたをみておる」