「さ、朝ご飯食べるか」

ボサボサだった髪の毛を手ぐしでといて、腕にしていたゴムでまとめる。サラサラヘアーに憧れた髪は背中の半分くらいまで伸びて、ケアは大切だけどあとで整えればいっかと思って洗面所を通り過ぎて朝ご飯の用意されてるテーブルまで向かった。

オープンキッチンの我が家はキッチンから食卓テーブルもテレビもその前に置いてあるソファーも全部が見える開放的な部屋、だから1人だとちょっと持て余しちゃうんだけどご飯を食べながらテレビが見られるのはいいよね。

キッチンの前にある丸テーブルに用意されていたお母さんが作ってくれたフレンチトーストとコップに牛乳を注いで手を合わせた。

フォークとナイフでフレンチトーストを切って、たまにスマホを確認して…

そーいえば真白っていつ来るんだろう?お母さん何時かは言ってなかったよね?

…言い忘れたのかもしれないけど。

でも、真白の連絡先知らないし…
聞くこともできないよねぇ。

「……。」

もぐもぐと口を動かして、ふと思い出す8年前のこと。

子供だった私たちは特に何も知らされることなくその日を迎えた。

今日からお母さんとお父さんは別々に暮らすことになったから、瑠璃も真白も別々に暮らすのよって…

最初から私たちには何も言う権利さえなかった。

小学校2年生だった私に、何も言えるわけないのはあたりまえなんだけど。