私、真白と…

「あ、なんもしてないよ。安心して」

すくっとソファーから真白が立ち上がったから、私も思わず立ち上がった。

反撃するように答えたかったから。

「あたりまえでしょ!うちら姉弟(きょうだい)だよ!?」

そんなことあったら困る、せっかくもう一度家族になれると思ったのに。

「何もあるわけ…!」

一歩歩き出した真白がくるっと振り返って顔を近付けた、私と目の高さを合わせるみたいに少しかがんで。


「でも俺ら、血繋がってないよね?」


「……え?」


にぃっと口角を上げて、きゅるんと大きな瞳で私を映して。

「じゃあ何してもいいよね?」

「!?」

え?

は?

えぇ!?

ぽかんと開いちゃった口は閉じることができなくて、何を言おうとしたのかも忘れちゃうぐらい。

「ま…、真白…知ってたの?」

リビングから出て行こうとする真白に呼びかける、ポリポリと頭を掻きながら顔だけこっちを向けた。

「知らないわけなくない?」

はぁぁぁーーーーーーーーーっ!?

案の定、声はでなかった。
驚きすぎると声は出なくなるらしい、人間って。