ピピピピピッー… 


マンションの3階に住んでたら小鳥のさえずりさえ聞こえない、普通にスマホのアラームで起こされた。

「ん~…っ」

さわさわといつもの癖で枕元を探す、スマホー…どこ?全然見当たらないんだけど?

目を開けるのが億劫で目を閉じたまま、ありそうなところに手を動かしたみてもそれっぽいのは全然なくてそれどころかわさわさしたものが手に当たる。モップにしては細いし、髪の毛っぽいけど自分のじゃないし、人肌温度を感じるこれは…


「!?」


ハタッと目を開けた。

その瞬間、声も出ないくらい驚いて飛び起きた。どんっ、って絶対下の階に響いて反省するほどの大きな音を立てながら。

「痛っ」

思いっきり落ちた、自分の部屋のベッドじゃなくてリビングのソファーからお尻を打ち付けて…
でもそれどころじゃない、仰け反った体を差支えるため後ろに手をつける。

「えっ、ま、ま…っ!?」

ふるふると震える指をさしながら、声が詰まってちっとも出て来ない。

え、今どーゆう状況だった!?
なんかぎゅっとされてなかった!?

すごい密着してたっていうか、抱きしめ…

「ん~っ、もう朝?早いね」

焦る私を知らないで、ゆっくり上半身を起こしてぐーっと腕を伸ばした。

「真白ーーーーー!?」

「あ、おはよう瑠璃ねーちゃん」

「おはよう…じゃないよ!え、何!?この状況何!?」

「何って…昨日ソファーで喋ってたらそのまま寝ちゃったじゃん」

えーーーー…

それはそんな気もするけど、私が聞いてるのはそこじゃない!ソファーで寝ちゃったことは大して問題じゃなくて!


私、真白と何してた?

抱き合うみたいに、寝てた…?


ハッと手で口を押えた。

サーっと血の気が引いていく、もう全然眠くない一気に目が覚めた。