知らなかったの、この手紙を読むまでは。

ちっちゃい時から一緒だったから疑うことがなかったの。

勝手に読むものじゃないなって思った。

明らかにお母さんがおかしな反応したから気になっちゃって…

「……。」

だから、真白は知らないと思う。

私が本当のお姉ちゃんじゃないことを知らないんだと思う。


私と真白に血の繋がりはないの。

だから8年間会えなかったんだよ。


会いたくても、会えなかったの…


「瑠璃ねーちゃん?まだいる?もう出るけど」

「あ、ごめん!あっ、あのドライヤー!」

つい読み込んじゃってお風呂場から聞こえた声に体をビクッと震わせた。

「出しておいたから使って!」

「ありがと、置いといて」

またぎゅっとズボンのポケットに押し込んで脱衣所から急いで出た。

私も何にも知らないフリしなきゃって、もう一度心に決めて。