なんとか合格要件を満たすことができました。

受験日、ある科目で隣の席になった方が試験時間中ずっと鉛筆を机にコンコンたたきつけていて、集中できなかったりもしました(試験官に言おうか迷いました……)。

その後私は、完全通信制の大学に入学し、卒業することが出来ました。

この大学へは、説明を訊きに行ったときと、卒論のため担当教授と面談する二回だけ学校がある東京へ行きました。

それ以外は、パソコンで授業を視聴するなどしての勉強でした。

中学の頃目標だった大学への熱は、それほどでもなくなっていました。

いいなあ、と思うことはありますが、絶対に行きたい! とは思わなくなっていました(おそらくですが、私が憧れた教授がその大学を離れたのもあると思います)。

自分の熱が向かうものが変わることってあるんだなあ、と思いながら、そのときの私に出来る勉強方法、通えるか否かなどを考えて、完全通信型の大学にしました。

また、通学制の大学より授業料などが格段に安く、当時の私が自分で払える額だったのも決め手でした。

中学も高校も行けなくて、自分が情けなくて不甲斐なくて、悩んで責めた時間もありました。

今も、胸を張って言えることはひとつもありません。

あるとすれば、『推しを推してきてよかった人生……!』です。突然のオタク発言失礼します。

でも、方法って色々あります。

辛いときは調べる力もないですよね。

スマホで検索するのだって体力がいります。

それでも、ずっと今のままが続くわけではありません。

いいことだって、時間が過ぎれば形を変えますよね。

だからずっと、ずーっと悪い状況のまま、なんてこともありません。

高卒認定の受験勉強中は、私が人生で一番勉強に集中していた時間です。

そしてその成功体験は、今も私の根拠のひとつです。

これほどのことを私はやってこられた、乗り越えられた、だから次もきっと大丈夫だ、と自分を鼓舞することができます。

現在私は、小説の執筆が出来る状況ではありません。

書きかけのものもあるし、各サイトさんではいろんなコンテストをやっていてにぎやかだし、SNSでは受賞のご報告なんかも聞こえてきてすごく羨ましくなります。

でも、私のこの、苦しくて辛くて大変な状況もずっとは続きません。

何年後かにこのエッセイを見た私は、「このとき何が大変だったんだっけ……?」と首を傾げているかもしれません。

そんな穏やかな日々を過ごせていることを願いながら、高卒認定受験の記憶は一旦終了としたいと思います。

また何か書きたいことが出てくるかもしれませんので、一旦ということで。

次回からはまた章ごとにトークテーマを決めたエッセイに戻りますね。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

次はどんなトークテーマにしましょうか。