「……で、陽菜実ったら、奏翔くんに告ったらしいのよ〜!!」

 私、宮代(みやしろ)優壽(ゆづ)は、親友の小村(こむら)紗英(さえ)ちゃんと一緒に、電車で学校に行っていた。

 紗英ちゃんは、小学生のときにできた、私の大切な友達。

 今も、同じ、私立樋宮学園に通っている。今年の四月に入学してからはや半年、すでに制服姿は板に付いている。

「そっかぁ」
「嬉しいよね!! 陽菜実、ずっと奏翔くんのこと好きだったらしいし……」

 紗英ちゃんは、友達の女の子が、好きな人に告白したことに大興奮している。その告白が成功したのか、私は知らない。

 でも、陽菜実ちゃんが、夢の恋愛に一歩近づけたのなら、私も嬉しい。

「良かったねぇ」