名前は神楽 優衣。
わたしと同じで高校2年生。
そして世界トップクラスの会社「アスピラシ」の現社長の息子。
優衣は将来この会社の経営を全て任される当主になることが生まれながらに決まっている。
――――生粋の御曹司
そして見る人を魅了するその見た目。
透き通った肌に茶色の瞳。長いまつ毛は完璧さを表しているようで。
まるで吸い込まれそうになる。
6歳の頃、あのお城のような大きな家の隣の小さな家に引っ越したわたしはすぐに優衣と顔を合わせた。
『菫、その方が神楽優衣様。
菫がメイドとしてお手伝いする人だよ』
そんな紹介をされたことを今でも覚えている。