「失礼します」



部屋に入るとすぐに優衣が目に入る。



ソファーに座って、長い足をだらんと投げ出している優衣。


ラフな部屋着に、手にはリモコン。

くつろぎモード全開の学園の王子様のゆるい姿はなんともまぶしい。



手に持つココアの入ったポットとカップの乗ったトレーをソファーに近くにあるサイドテーブルに置く。



そしてココアを一杯注いだ。



「優衣さま、ココアを準備しました」



そう声をかけると優衣はテレビから目を離してわたしを見る。



「うん、ありがとう」



受けてると一口飲んでテーブルにカップを置いた。