「帰ってて良かったのに」

「せっかく出し、ね」



ねって言われても……。



口ごもっていると前を歩いていた優衣が突然止まる。

そうしたかと思うとくるりと回ってわたしの方を向いた。



えっ、なに……?



「そんなに俺と帰りたくない?」



困った表情でわたしを見つめる



「いや、そうゆうことじゃなくて……ただ怒られるのが」

「ふーん……」



優衣は少し考えるようなことをしたけど、これ以上なにも聞かずまた向き直って歩き始めた。