なんて考えて教室に向かおうと角を曲がったとき

廊下に優衣が立っていた。



「きゃああああっ!!!」



びっ……くりしたー!


驚くわたしを見て、優衣は鼻で笑う。


「なに驚いてんだよ」

「だっ、ていると思わなくて」



優衣は縮こまるわたしの横を何事もなかったかのように通り過ぎた。



「ほら、帰るぞ」

「帰るって、かばんは?」

「はい」



そう言って、わたしのかばんを突き出す。  


いつのまに………。


「車待たせてるから、遅くなって怒られるのは菫だぞ」