「ほら、やるよ」 ゆっくりと手が離れていく。 少し、名残惜しい………。 そんなわたしを知る由もなく優衣はプリントをペラペラっと整理し始める。 もう、疲れて止める気力もないよ。 ぐったりとしながらもプリントを2人で並べる。 わたしなんかよりも数倍も早く進めていく優衣。 格の違いを見せられてるな……。 やっぱり所詮わたしは庶民で優衣は王子。 そして、メイドとご主人様 ――――この2つは変わらない、事実なの。