いやいや、だめでしょ。



なんの躊躇もなく優衣は椅子を持ってきてわたしと向かい合うように座る。


そして白く細長い指でプリントを半分すくい取った。


慣れた手つきでプリントを机の上でトントンと整える優衣。


その動作でさえ見惚れてしまいそうになるかっこよさがあるけど。


優衣のメイドである身としてはプリント整理なんてさせたくない。



「大丈夫。
優衣は先帰ってて」

「なんで?」

「なんでって、ステラの生徒にこんなことさせれないよ」

「菫もステラでしょ」



私もステラだけど!!

違うじゃん!!



「でもっ…………!!」



優衣を止めようと手のひらを前に出したとき。