見ると、金髪の長いウエーブヘア大きい目、黒い瞳。目鼻立ちの整った顔立ち。スレンダーな清楚でカレンな美少女がいた。みんなと同じ制服だ。同じ学校だ。
 「ん、お前は?」
 と、リーダーのような女子高生。
 「お前ら、やめろよ」
 と、美少女はまるでヤンキーのような口調でいった。え、となぎさは思った。
 「何!」
 と、女子高生たち。
 え、喧嘩?となぎさは思った。女子高生たちが、美少女に迫る。
 (どうしよう)と、なぎさは思った。女子高生たちと美少女は今にも喧嘩しそうな様子。
 「警察う、警察う」となぎさは公園の外に向かって叫んだ。
 「え」
 と、女子高生たち。美少女がなぎさを見た。
 「不審者あ、不審者あ、女の不審者あ、警察う」
 と、なぎさは叫んだ。
 「な、不審者呼ばわりいいいいいい!」
 と、リーダーのような女子高生がいった。
 「逃げよう」
 と、別の女子高生。
 「あ、ああ」
 と、リーダーのような女子高生。
 「覚えてろ」
 と、リーダーのような女子高生がいって、女子高生のグループが公園から逃げていった。
 なぎさは逃げていく女子高生を見て、ほっとした。
 「ふ、不審者あ、女の不審者って、不審者呼ばわり!」
 と、美少女。
 「ええええええええええええ」
 と、なぎさ。この人ヤンキーなのかなあと、なぎさは思った。
 「ありがとう。生徒会長」
 と、美少年がいった。美少女が落ち着いた。
 「ああ、蓮」
 と、美少女がいった。
 「ありがとう」
 と、美少年。
 「うん」
 と、美少女。
 美少年はなぎさの方を向いた。
 「ありがとう」
 と、美少年。なぎさははっとなった。
 「いえいえ」
 となぎさ。
 「1年生だよねえ」
 と、美少年。
 「は、はい。原宿なぎさっていいます」
 と、なぎさ。
 「ああ、僕は2年、滝川蓮っていうんだ」
 と、滝川蓮と名乗った美少年はいった。
 「ああ、蓮先輩」
 と、なぎさ。
 「うん」
 と、蓮。
 「あ、それで、この人はやん・・・・・・」
 と蓮がいいかけた。
 「ああああああああ」
 と、美少女がわめいた。
 (ん、やん、ヤンキーって言おうとしたのかなあ)となぎさ。
 蓮は咳払いした。
 「この人は生徒会長で優等生のゆきたんっていうんだ」
 と、蓮。
 「お、おい」
 と、美少女。美少女はなぎさに向いた。美少女は咳払いした。
 「わ、私は生徒会長をさせてもらってる白鳥ゆきって申します」
 美少女はうってかわって鈴を転がすような声でいった。
 (え、なんか変わった。見かけ通りってか)となぎさは思った。
 「は、初めまして」
 「初めまして。原宿さん」
 と、ゆき。
 「あの白鳥さん」
 と、なぎさ。
 ゆきはにっこり笑った。
 「仲良くしてね」
 と、ゆき。
 「はい」
 と、なぎさ。
 「そうだ、君1年だよねえ」
 と、蓮。
 「は、はい」となぎさ。
 「部活は?」
 「え、えーとお・・・・・・」
 部活はまだだった。
 「まだ?」
 と、蓮。
 「は、はい」
 と、なぎさ。
 蓮は笑った。
 「じゃあ、カモシカ研究部に入るといいよ」
 と、蓮。
 「ええええええええええ」
 と、なぎさ。
 ゆきが慌てて、蓮を見た。
 「あ、おい、蓮、いきなり知らない人にそれはないだろう」
 と、ゆきがヤンキーのような口調でいった。
 「あ、そうか」
 といって蓮は笑って、片手を後頭部にやった。
 「まず知り合ってだなあ」
 と、ゆき。
 「あは、そうか」
 と、蓮。蓮はなぎさを向いた。なぎさはどきっとした。
 「よかったらあ、僕と知り合いになってくれないかなあ」
 ゆきはずっこけるようなそぶりをみせた。
 「れ、蓮、なんだよそれ」
 と、ゆき。
 「いいですよ」
 と、なぎさ。
 蓮は満面に笑みを浮かべた。
 「ありがとう」
 と、蓮はいった。
 こうして、美少年の滝川蓮と、美少女の白鳥ゆきとなぎさは友達となった。