「わあ、なんて素晴らしいの!」
誰もいない厨房に入ると、プリムローズはあまりの広さと充実した設備や道具に目を輝かせる。
「調味料や香辛料、リキュールもこんなにたくさん!あ、これってもしかして、バーナーかしら?これがあれば、クレームブリュレのキャラメリゼができるわね」
プリムローズはわくわくしながら、早速ボウルに卵やミルクなどの材料を入れて、泡立て器で混ぜ始める。
「えーっと、オレンジソースを最後にかけるけれど、キャラメルもオレンジ風味にできるかしら?」
あれこれと考えながら作っていると、休憩を終えたらしい若いシェフが一人戻ってきた。
「おや?何を作っていらっしゃるのですか?」
「あ、はい。オレンジ風味のクレームブリュレを作りたくて…」
「へえ。私はデザートを専門とするパティシエなのですが、お手伝いしてもよろしいですか?」
「はい、もちろんです!よろしくお願いいたします」
二人であれこれ相談しながら、試行錯誤して作っていく。
「バニラビーンズをたっぷり使っているので、オレンジはキャラメルだけに混ぜてはいかがですか?」
「ええ、そうですね。リキュールと、すりおろしたピールも少し混ぜてみたいです」
「いいですね。仕上げは少しとろみのあるオレンジソースをかけましょうか」
「はい!とても美味しそうです」
バーナーの使い方も教わり、プリムローズは真剣に焦げ目をつけていく。
「なかなかお上手ですね。初めてとはとても思えません」
「本当ですか?」
「ええ。それにこのオレンジ風味のクレームブリュレは、とても良いアイデアですね。早速試食してみましょう」
二人で厨房の丸椅子に座り、出来上がったばかりのクレームブリュレを食べてみる。
スプーンをキャラメルに入れると、カリッと小気味良い音がした。
そっと口に運んで味わうと、シェフは大きく頷いた。
「うん!とても美味しい」
「本当に!想像以上に美味しくできましたわ」
「プリムローズ様。これを今夜のディナーのデザートにお出ししてもよろしいですか?」
「え?どなたに、ですか?」
「国王陛下ご一家です」
は?!とプリムローズは声を上ずらせた。
「いえいえいえ、いけません!そんな、わたくしごときが作ったものなど、陛下のお口に入れる訳にはまいりませんわ」
「ですが私は、今夜のデザートにこれ以上のものを作る自信がありません」
「まさかそんな!ご冗談を。とにかく、これはいけません!」
「そうですか…」
シェフは諦めたように肩を落とす。
「では、プリムローズ様のデザートにお出ししますね。よく冷やして、最後にバーナーで焼いてからサーブいたします」
「はい。よろしくお願いします。楽しみ!」
プリムローズはシェフと顔を見合わせて微笑んだ。
誰もいない厨房に入ると、プリムローズはあまりの広さと充実した設備や道具に目を輝かせる。
「調味料や香辛料、リキュールもこんなにたくさん!あ、これってもしかして、バーナーかしら?これがあれば、クレームブリュレのキャラメリゼができるわね」
プリムローズはわくわくしながら、早速ボウルに卵やミルクなどの材料を入れて、泡立て器で混ぜ始める。
「えーっと、オレンジソースを最後にかけるけれど、キャラメルもオレンジ風味にできるかしら?」
あれこれと考えながら作っていると、休憩を終えたらしい若いシェフが一人戻ってきた。
「おや?何を作っていらっしゃるのですか?」
「あ、はい。オレンジ風味のクレームブリュレを作りたくて…」
「へえ。私はデザートを専門とするパティシエなのですが、お手伝いしてもよろしいですか?」
「はい、もちろんです!よろしくお願いいたします」
二人であれこれ相談しながら、試行錯誤して作っていく。
「バニラビーンズをたっぷり使っているので、オレンジはキャラメルだけに混ぜてはいかがですか?」
「ええ、そうですね。リキュールと、すりおろしたピールも少し混ぜてみたいです」
「いいですね。仕上げは少しとろみのあるオレンジソースをかけましょうか」
「はい!とても美味しそうです」
バーナーの使い方も教わり、プリムローズは真剣に焦げ目をつけていく。
「なかなかお上手ですね。初めてとはとても思えません」
「本当ですか?」
「ええ。それにこのオレンジ風味のクレームブリュレは、とても良いアイデアですね。早速試食してみましょう」
二人で厨房の丸椅子に座り、出来上がったばかりのクレームブリュレを食べてみる。
スプーンをキャラメルに入れると、カリッと小気味良い音がした。
そっと口に運んで味わうと、シェフは大きく頷いた。
「うん!とても美味しい」
「本当に!想像以上に美味しくできましたわ」
「プリムローズ様。これを今夜のディナーのデザートにお出ししてもよろしいですか?」
「え?どなたに、ですか?」
「国王陛下ご一家です」
は?!とプリムローズは声を上ずらせた。
「いえいえいえ、いけません!そんな、わたくしごときが作ったものなど、陛下のお口に入れる訳にはまいりませんわ」
「ですが私は、今夜のデザートにこれ以上のものを作る自信がありません」
「まさかそんな!ご冗談を。とにかく、これはいけません!」
「そうですか…」
シェフは諦めたように肩を落とす。
「では、プリムローズ様のデザートにお出ししますね。よく冷やして、最後にバーナーで焼いてからサーブいたします」
「はい。よろしくお願いします。楽しみ!」
プリムローズはシェフと顔を見合わせて微笑んだ。