まあそんなこんなで、せいらとはだいぶ仲良くなった。
 せいらは「努力の人」という言葉が本当に似合う人で、幼少期からの大量な詰め込み教育をすべてやり遂げた結果、これほどまでの完璧少女になったのだそう。

 せいらは本当に非の打ち所がないんだ。
 強いて言うなら、私のルームメイト・怜とは犬猿の仲だってことくらい。
 でもそれも人間味があってかわいい。

 ともかく。
 私が白銀学園に入って成長できたのには、せいらの影響がすごく大きい。
 出会えてよかったと心から思う、数少ない人のひとりだ。

 ……あ、でも、せいらは私を買い被りすぎなんだよね。
 熱を出しちゃった子に代わってシンデレラ役をこなせたのも、いつも部屋で、王子様役の怜と練習してただけ。

 そう説明しても、せいらは「いきなりリハーサルから参加して適応できるのがすごいって言ってるのよ!」なんて褒めてくれる。

 なんて表現すればいいんだろうね、好きな物の話を聞き流されてプリプリする子供みたいでかわいいんだ。

 私の自慢の親友だよ。